エモい写真で個性を表現

『エモい』というのは、若者を中心に使われている流行語で、英語のEmotional(感情的)から来ている形容詞です。例えば、感動して心が揺さぶられたり、懐かしさを感じたりした際に使用されます。『エモい写真』を言い換えれば、『趣のある写真』というところでしょう。被写体が素敵であったり、思い出の場所が撮影地だったりするだけでなく、撮影技法がユニークで印象的なものもエモい写真と言えます。

また、現代の若者はクリアで高画質な写真に慣れていることもあり、どこか古めかしさを感じるものにもエモさを見出す傾向にあります。モノクロやセピアといった色合いや、日焼けのある写真、フィルム感の残る粗い画質の写真のように、アナログさが感じられるものもエモい写真の一つです。そのため、自分にしか出せないオリジナリティのある写真が撮れるインスタントカメラの需要もどんどん増えてきています。

デジカメとは違うインスタントカメラならではの魅力とは

スマホやデジカメの高性能化が進んでいる中、何故あえてインスタントカメラを選ぶのでしょうか。インスタントカメラといえば、プラスチック製のチープな造りと、低画質、連射機能などもありません。デジカメと違い、現像するまでどんなものが撮れているのか分からないというデメリットもありますよね。

実はインスタントカメラの低機能こそが、若者のエモいという感情をくすぐっていると言っても過言ではないでしょう。ブレたり逆光になっていたりしてきれいに撮れていなくても、そこにオリジナリティが感じられる訳です。また、一体どんな写真が撮れているのか現像出来るまで分からないというのも、まるで宝箱を開ける瞬間のようにワクワクさせるのです。そもそも、現像する文化に慣れていない若者にとって、紙媒体で見る写真自体がエモいものと感じるのでしょう。友達同士でメッセージカードを一言添えてやりとり出来るのも紙媒体ならではですよね。